飛騨高山 さんぽ道飛騨高山さんぽ道

味噌買い橋(みそかいばし)

 味噌買橋とは、現在のさんまち通りの西端宮川に架かる筏橋の通称です。
むかし橋の向町の人々が、現在のさんまち通り西角にあった角屋藤兵衛の店へ味噌を買いに通った所から味噌買橋と呼ばれ、新しい民話まで生まれました。
以前、柳田国男が高山に来た折りにもこの民話が話題となり、イギリスのロンドン橋の話と同じような内容になっていると不思議がっていたそうですが、実は、昭和のはじめ頃、高山の西小学校に勤めていた小林幹先生が飛騨の伝説を教え子達に集めさせて本にまとめた時、ロンドン橋の話を翻案し『味噌買橋の話』として挿入したのが、余りにうまくできているため日本民話の中にまでとりあげられるようになり、かつてテレビの『日本昔ばなし』でも放映されました。

- 昔、丹生川村の沢上というところに炭焼きの長吉という男がいた。長吉は、正直者でとてもよく働いた。
ある夜夢に誰か出てきて、『おい長吉、高山の味噌買橋の上で立っておれ。いいことがあるぞよ』と教えてくれた。長吉は朝起きるなり炭を背負って出かけ、その炭を売り払ってから味噌買橋へいって立っていた。
五日間も立っていたが何もいいことがなかったので、もう帰ろうかなと思っていると近くの豆腐屋のじじいが、『おめえは、もう長いことそこに立っておるが、どうしたんやの』と声をかけてきた。
そこで長吉は夢の話をすると、豆腐屋は『夢の話を真に受けるばかがあるか。おらもこの間夢を見たが、丹生川村の沢上というところの長吉の家の裏に杉の木がある。その木の根もとを掘ると、金銀宝物がどっさり出てくるとな。でも、そんな夢おらは真に受けん。ばかじゃないから…。』それを聞いた長吉は、えっと驚くなり自分の家へ走って帰った。そして、裏庭の杉の根もとを掘ったところ、本当に金銀宝物があふれるように出て、村一番の長者になった…。という話です。